アブダビに「teamLab Phenomena」、1万7000平方メートルで4月開業へ
DCT Abu Dhabi、Miral、teamLabが発表した常設没入型アート施設の規模、展示の仕組み、運営体制を追う。
アブダビ文化観光局(DCT Abu Dhabi)と施設開発会社Miralは2025年2月25日、常設施設「teamLab Phenomena Abu Dhabi」の開業日を発表した。アート集団teamLabも事業に参加する。一般公開は同年4月18日。会場はサディヤット島のSaadiyat Cultural District内で、延床規模は17,000平方メートルに及ぶ。運営はMiralの子会社Miral Experiencesが担う。
来場者の動きで作品が変わる
施設の中心にあるのは、周囲の条件から作品が生まれる「Environmental Phenomena(環境現象)」というteamLabの考え方だ。光、空気、水に来場者の動きが加わり、視覚・音・触覚にまたがる現象が変化する。公式サイトは、自然の力と来場者の関与によって作品が形づくられると説明している。鑑賞者が空間へ働きかけると、その反応が作品の一部になる。
作品に合わせて建物を設計
施設はteamLab Architectsが構想・設計し、同社とアブダビのMZ Architectsが専用建築として実現した。Miralは、展示が自由かつ有機的に変化するための環境として建物を説明している。光、水、空気を扱う展示の条件に合わせて建築を設計した。
公表された作品例からも、その構成が見える。『Massless Suns and Dark Suns』では、光と闇の球体が知覚に働きかけ、光の球に触れると周囲へ明るさの反応が広がる。『Levitation Void』は空間の中央に浮遊する「空白」を生み、押されて動いたり落下したりしても、再び浮上する状態を描く。いずれも光や空間の条件によって成り立つ現象として示される。
来場者との相互作用は、複数の作品に組み込まれる。点光源が互いの色と明滅のリズムをそろえる作品では、触れるとリズムが変わる。水の流れを題材にした別の作品では、足元や壁への接触に応じて蝶が現れる。卵形のオブジェを押すと、光と音が周囲へ伝わる水の庭園も発表された。水位の変化を立体地形として表現し、来場者が水に入って歩く空間も含まれる。来場者の振る舞いから始まった変化は、同じ空間にいるほかの鑑賞者にも届く。
サディヤット島に17,000平方メートルの常設館
Saadiyat Cultural Districtは、ルーヴル・アブダビなどが集まる文化地区であり、DCT Abu Dhabiは同地区を文化交流を促す拠点として整備している。teamLab Phenomena Abu Dhabiは、その一角でMiral Experiencesが運営する常設施設となる。発表時点で入場処理人数、標準滞在時間、展示の更新周期は公表されていない。
運営はMiral Experiencesが担う。17,000平方メートルの館内をどのような時間枠で案内するか、混雑時に水や光を使う作品の鑑賞人数をどう調整するかは、発表資料から確認できない。